『やっとこさ』人間
GW8連休が「やっと」終わった。
「やっと」。
終わるのをずっと待ちわびていた。
五月病からようやく一歩抜け出した。
というか、7/5野喋の会を企画し始めた時点から復活しかかっていたし良いか。
今日出社したら、乱れた生活リズムと心のリズムを少しだけ整った気がする。
職場は壁際にとってシェルターだ。
仕事っていう薄いつながりであるものの、みんな優しく居場所を確保してくれている。
居場所のない家とは全くの別物。
急がなくていい、気を遣わなくていい、無理をしなくていい、頑張らなくていい。
「〇〇しなくていい」って言葉が素敵すぎる。
おかげさまで自分のペースでのびのび暮らせている。
...といった自分が、先日読んだ村田沙耶香著『コンビニ人間』で出てくる主人公の女性と少し重なって見えた。
GW前に読んだはずなのだが、読了の記録がないので幻かもしれない。
ただ、話の記憶だけが脳内を浮遊している。
読んだ証拠か。
『コンビニ人間』はコンビニという世界しか知らずに20年弱生きている女性の、奇妙な価値観やら暮らしやらが綴られている小説だ。
本屋さんの割と目立つところに置いてあるので以前からタイトルは知っていたが、ようやく出会うときがきたんだって言うかのように、本の方から歩み寄ってきた。
すごくサラサラとした文章だった。
茶こしでこした、小麦粉のような文章。
心地よくなるほど頭にスラスラと入ってきた。
自分だけが共感出来るのか、大多数の人が少し共感して刺さる部分があるのかどちらかわからない。
ただ壁際には確実に刺さる部分がいくつもあった。
ナイフを使ったマジックで大失敗された人みたいに。
あのサラッとした中での奇妙な言動はなんだったんだろう。
『コンビニ人間』是非読んでいただきたい。
あなたに刺さるか刺さらないのか。
読んだ方がいらっしゃればお話ししたい。
残念ながらこのGWは読書が出来る状態じゃなかった。
読書は体と心が元気じゃないと出来ない。
物語に入り込んで読み進めるのでめちゃくちゃ体力を使う。
読んだ後に考察もするし、せっかく読んだら感想もシェアしたい。
読むだけで終わりじゃないし。
どんな趣味であれ、シェアまでがセットなんだけどね。
今はもう大丈夫。
本を眺めて読みたい本を選べるところまできた。
一冊の小説に一目惚れをしたので、それを読むのがとても楽しみ。
読んだら感想シェアしちゃおう。
そしたらお話にお邪魔するときがやってきた。
小説の入り口にノックをしようか。